〈独白する三兄弟が超怖い〉
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おまんげつ
仮眠しようと思い布団に入ったのだが何やら蒸し暑いような肌寒いような、
高揚しているような心細いような、どうにも落ち着かないきもちで一時間ばかり
上をむいたり横をむいたりしてモゾモゾしていた。
別に室温も低くないのにスースーする。
毛布からハミ出した身体の一部が物凄く気になる。
家内も猫も皆グッスリ寝入っているのに、なんとなく、部屋の空気が動いている。
落ち着かない。

 ※ ※ ※ ※ ※

厠の怪』は期待にそぐわぬ、ノスタルジックともいえるお便所に対する根源的な怯えと、
あんまりにもあんまりな下世話極まりない悪趣味がそれこそドロドロに溶け合った、
ひとことでは形容しがたい混沌たる読後感の一冊であった。
万人におすすめできるかと云われるとちょっと正直言葉につまるのだが、
これを読まずに死ぬというのもそれは大変な人生の損失であるようにも思えるし、
とにかく紹介の仕方がひじょうにむつかしい。
何なんだろうこの本。

とりあえず、平山先生のご寄稿されているお話のタイトルは「きちがい便所」である。
このタイトルが大丈夫なら、あとはたぶん大丈夫なので、是非お読み頂きたい。
僕としてはこれは、今年上半期の印象に残った本ベスト10冊に入ることは確定っぽい、
頭にツーンとくる一冊だった。

厠の怪 便所怪談競作集 (MF文庫ダ・ヴィンチ)厠の怪 便所怪談競作集 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
(2010/04/21)
飴村行岡部えつ

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あと、飴村さんはどうかしている
(受賞おめでとうございました! うひょー!)

 ※ ※ ※ ※ ※

常々、まがりなりにも怪談ぽいものを書き散らかせて頂いておる僕であるからには、
あの『幽』誌上にて公募された実話コンテストの結晶、
怪談実話コンテスト傑作選 ――黒四』を、手に取らないわけにはいかない。
というか手元に届くのを今か今かと待ちかねておったというのが実際のところ。

「平山夢明風味なテンプレート作品は、ことごとく予選で落としてしまった」と、
『幽』の審査会レポートに書いてあったので、僕はもうその時点で肝っ玉が縮み上がってしまい、
内心「嗚呼ッ、危ない……応募しなくてよかった!!」とか冷や汗をかいたわけであるが、
とにかく「マッタク新しいスタイルの怪談実話の書き手を探す」というその意気込みに、
ぶっちゃけワクワクしないほうがおかしい

ちょっとだけメールでお話させてもらった、三輪チサさんの心に沁みる表題作「黒四」、
ペコイチ先生独特の語感が冴え渡る「壁」、そして幽霊に脅迫されながら書き上げたという
まさにいわくつきの禍々しさが活字から滲み出す、黒木あるじさんの「しにますよ」。
他にも上げ始めるときりがないのだけど、どの作品も確かにすごい新しいかんじがする。
真性ぺぇぺぇの僕がいうのもおこがましいけどホント新しいかんじがする。
いや新しいっていうか何、うまく云えないんだけど何かちゃんとしてる気がする。
何でだろう。ふしぎだな。
ホント僕もね、みなさんを見習わせて頂いてね、ちゃんとしないといけないわけです……

怪談実話コンテスト傑作選 (MF文庫ダ・ヴィンチ)怪談実話コンテスト傑作選 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
(2010/04/21)
『幽』編集部

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全編、編集部による保証つきの実話であるというのもまた、本当に寒気がする。

 ※ ※ ※ ※ ※

小便でもすれば眠れるだろうかと便所へ行ったら、居間の窓が全開になっていた。
家内が、換気のために開けておいたのを忘れていたようだ。
道理で落ち着かない筈である。
別の部屋に居ても、どこかの部屋で窓が開いているというのは何故かわかるものなんだな、
奇妙なことだなと思いながらガラス戸をしめようとすると、網戸ごしに、青い満月が見えた。
雨降り前のぬるい風が坊主頭を撫ぜ、姿の見えない鳥がきゅうきゅうと啼きながら、
夜空を渡って行った。
僕はくしゃみをひとつして、仮眠を諦め、コーヒーを淹れた。

ああそうか。
眠れないのは明日が〆切だからかハハハヒヒヒフ。
コメント
松村さんの書く文章が大好きです!
パピレスの方も楽しみにしています。
頑張って下さい!
2010/04/29(木) 21:38:06 | URL | マリ #-[ 編集 ]
わーありがとうございますもったいない!
ちゃんとしないといけませんホントねフフフヘホホホ。
2010/04/30(金) 03:03:02 | URL | 松 #SFo5/nok[ 編集 ]
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