〈独白する三兄弟が超怖い〉
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元旦ですね
 
 あけましておめでとうございます。
 本年も何卒、よろしくお願い申し上げます。

 2011。いやぁ、2011年ですよ。早いものですね。
 みなさん初詣とか行かれましたか。
 僕はわりとね、行くほうなんです。ええ、意外でもないですよね。
 何か行きそうでしょ僕。そんな感じするでしょ。ええ、今年も行きました。
 朝の五時半かそのくらいに、近所の護国神社に参拝したんですけども。
 普段だったらまあ午前中とかに行くんですけどもたまたま夜中から起きてまして、
 どうせなら寝てしまう前に参拝しとこうか、みたいな話になりまして。行ったんです。
 そしたら何かね、びっくりしました。
 ガラッガラなんですね。
 時間が時間だったからですかねぇ。参拝客が、僕と家内だけでしてね。
 いや結構広い神社なんですよ。石畳は新しいし、玉砂利も綺麗な厳かなところなんです。
 それがこれまあ、貸切ですわと思いながら二拝、二拍、一拝。
 しかし夜明け前の真っ暗な時間帯ですから、ちょっと尋常な寒さではなくてですね。
 ジーン、ジーン、と超音波風呂のように極低温が、四肢に凍みてくるんです。
 じっとしておっても水垢離でもしておるかのような冷たさなんです。
 手も脚もキンキンに冷えてしまいましたけどもとりあえず、おみくじをひいて。お守りをもらって。
 よしよしさっさと帰ろうかと思ったら何か看板がありまして、何でも六時から、
 今年一年の平安を祈念してお祀りをする予定がある、と。
 へぇー、参拝客誰もおらんのに、神主さんひとりでするんかいなと思っておったんですが、
 それを見ました家内が巫女さんに、これやるんですかどこでやるんですか、と訊きだして。
 うわッマジかよ、と思ったですね。
 だってそうでしょ、もう尋常な寒さでないんですよ。
 この状況で我々が参列したら、絶対途中で帰れないじゃないですか。
 最後までおらんと駄目じゃないですか状況的に。
 寒いよ君、具合悪くなるかも知れんよとそれとなく家内には言ったんですが、
 こんな機会はめったにないのだから寒くてもいい、と。
 一度言い出したらききませんからね、まあどこのご家庭もそうだと思いますがええ、
 前々からそういうのに興味を持つ家内でございましたもので僕はハイ、と観念しまして、
 その歳旦祭とやらの席に、座らせてもらうことになったんです。

 深い深い藍色の空に向け、開け放たれた本殿。
 板張りの間、金の御幣。階段、雲形台、まるい鏡。
 硬度の高い冷え切った空気が、僕の輪郭を隙間なくぴっちり埋めております。
 神主さんが摺足で現れて、あちらへ行き、こちらへ行きし、なにかを詠います。
 朗々と響く大昔の言葉に、頭の芯がじんじんしてきます。
 たった三人だけの寒々しい空間が、何か物質ではないもので満たされてゆきます。
 奉ってあった祓串をとり、神主さんは鏡に向かってスバッ、スバッ、と振ります。
 その動きの、緩急の鋭さ。
 長いふとい袖の裾のさきっちょに、ポンポンみたいなのが垂れていて揺れていて可愛い。
 こちらを向き、「折角のことですから」と僕らの頭の上でもスバッ、スバッ。
 その後、神主さんは巨大な太鼓の前に腰掛けてゆっくりと、桴で打ち始めます。
 聞き覚えのある、ふしぎなリズムです。
 緊張感のみを高め、決して気分を高揚させない拍子です。
 ――ふいにぽっ、と身体の芯が温かくなります。何故かはわかりません。
 手足は相変わらず凍えているのですが骨というか身体の奥のどこかが熱を持ち始めます。
 これは奇妙なことだな、こんなこともあるのかなと僕は思います。
 後から聞いたところでは家内はこの時、眩暈のようなものを感じていたと言います。
 太鼓にあわせて祝詞を上げて、神主さんはその後、玉串を奉りました。
 ふっと壇上から降りてきて、僕らに向かいまた「折角ですので」と、手を伸べます。
 玉串の柄が神様に向くよう、ここへ置くように、と教わります。
 僕らはふたりで一本の榊を持ち、おずおずと台に載せ、頭を垂れます。
 その垂れた頭に、冷たく凛とした光があてられているような、
 どこか畏ろしい身の縮む思いと同時に、自分は護られているのかも知れないという予感を、
 僕は覚えます。

 まさか元日から、神社でこんなことをすることになるとは思いもよらなかったなと思います。
 何の巡り合わせかはわかりませんが――この一年はきっと、大事な一年なのかも知れません。
 いや実は毎年毎年、ずっと大事な一年だったのかも知れません。
 そんなことを思います。


 ※ ※ ※


 今年はまじめにやろうと思いました。
 おしまい。




※ 予定されておりました「僕と家内の秘め始め・どきどきレポート」は、
 誠に残念ながら諸般の事情により、中止とさせて頂きます。ご了承ください。
 また、私のポテンツには何の不具合もございませんこと、ここに特記させて頂きます。
 私は元旦からダマスクス鋼の如くギンギンですので、ひとつ、よろしくお願いします
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