〈独白する三兄弟が超怖い〉
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大藪春彦賞授賞式に潜入する
さて、去る三月四日。

第十三回大藪春彦賞授賞式が丸の内は東京會舘にて盛大に、
それはもう盛大に執り行われるとうかがいましたものですからワダグス不肖松も、
こうしてはおられんとばかりに鶴嘴をおっぽり出し、褌をまくり上げまして、
脂まみれ泥まみれのまま飛行機に飛び乗り平山先生の元へはせ参じましたのでございます。
ちょっこし上京して参りましたのでございます。

けれどわたくし受賞パーテーなどというものにお邪魔させていただくのはこれ
当然はじめての経験でございますから、ぜんたいどのような段取りのものなのやら、
會舘に到着しても会場にインしても授賞式が始まりましてもさて何をすればいいのかもう
一向にわかりません。
どうすればいいのかわかりません。
待ち合わせて一緒に行きましたじゅんちゃんは流石にあの経歴ですので、
各社の編集さん達にあれやこれやと声をかけられて突然フッと姿を消したりしますし、
どこかにいる筈の黒さんは七百人もに膨れ上がった来場者に紛れてちっとも見つからず、
黒木さんはつい先日まで上京しておったものの本日は来られない無念なりと伝え聞かされまして、
そうなりますとさぁわたくしは、ただ端の方で飄々と煙草をふかし、悠々談笑する福澤徹三先生の、
その背後に薄べったりとへばりつき、オジキの庇護にあやからんと図るしかなく、
ただ無闇矢鱈に梟のごとく、きょろきょろするのが精一杯の体でございました。

壇上では、審査員の先生方が『ダイナー』受賞の経緯などをお話になりました。
そして平山先生にブックエンドとしても使えるカッコいいトロフィー的なものが授与され、
現ナマ的な匂いのする封筒もそっと渡され、最後にお祝いの花束的な花が贈られました。
普段見ない感じの、わりときっちりしたスタンドカラーの黒服をめされた先生は、
マイクの前ではにかみがちに今回の受賞の喜びを語られたのですが、会場の端々から
「ちょっと様子がヘン」
「何かいつもと違う」
誰だあれは
というような会話が聞こえてくるふうな、少々猫をかぶった感は否めないひじょうに穏当な
スピーチをなさいましたのが意外でした。

結びのあたりで「弟子っこたちの手前、自分もちゃんとしないといけない」というようなことを仰られ、
それはもうわたくし達にとっては大変感激の場面だったのですがじゅんちゃん達の名前に続いてわたくしを
「まつむら た つ きち」と、しかも「たつ」の部分だけ若干スピードを落として、明瞭に発音なさって
おられたのは一体、どんな意図があったものなのでしょうか。
何となく、普段わたくしをからかわれる時のあの表情が、その一瞬だけお顔にファッ、と浮かんで
おりましたようにも見えましたが、しかしよもやあの大観衆の前でそんなことをなさるとも思えぬわけです。
大変理解に苦しむところでありまして、その一点のみ、わたくしには大きななぞとして残っております。


 ※ ※ ※


その後の二次会では、大層こじゃれた高そうな居酒屋的なところの奥の部屋に、
尋常でない人数がぎゅうぎゅう詰めになりながら引き続き、平山先生をお祝いしました。

しかし、何ということでしょう。
会が始まるや否や、お名前を書くのも畏れ多い先生方が一斉に、まるで示し合わせたように、
おい平山、早く小説を書けこの野郎」
「次はいつ出すんだ、え。平山言ってみろ。何を出すんだ」
お前平山、年間これこれ出しますと、今ここで約束しろ」
とそれこそ地の底から響くような怖ろしい声で、平山先生をしぼり上げ始めまして、
流石にわたくしちょっとマジに小便をちびりそうになったんでございますけれども、
同時に何故か胸のうちがスーッとフリスク的なもので満たされるようにも感ぜられまして、
わあーこれは不思議なことだなあーと、平山先生がどんどん土気色の顔になってゆくのに、
どうしてぼくの心は南太平洋のように晴れ渡ってゆくのかなあーと、人体の神秘を覚えました。

二次会終了間際には、某社の某百キロ弱の某編集の謀略により、じゅんちゃん黒さんに続き
わたくしにまでマイクが回って参りまして、テンパリの極みとなりましたわたくしはもう、
何を喋ったのかホントに覚えていません。
たぶん、あつくあつく、平山先生へのお祝いと日頃の御礼を申し上げたように思います。
マイクを置く直前、完全にヘンな顔色になった先生がわたくしの方へ腕を伸ばして
走って来ようとしておったようにも思いますけれど、お酒も入っていたのでよくわかりません。

とりあえずスカッとしました


 ※ ※ ※


三次会では、宴もたけなわとなった頃おもむろに、わたくしの前に
京極夏彦先生がお座りになられまして、勿体無くも拙著『切断』のご感想などを賜りました。
しかし五分、十分と時間が経つにつれ、アレーなんかヘンだなー、何か俺余計なこと喋ってんじゃないかなーと
段々違和感を感じ始めまして、ハタと気がついた時にはこれ、何ということでしょうか。
リアル憑き物落しが始まっておりましたのです。

嘘ではありません。
きょきょきょ、京極堂は実在したんだッ
と鳥肌立ちました時には既に、わたくしの心の中におりました憑き物はスッパァーンと、
青竹の如く叩き割られ、霧散しておりました。
いや違うなんだろう。
最初からそんなものは居なかったというのが近いでしょうか。
あ、これ勿論、お化けとか幽霊的なものの話ではないです当然ですが。
とにかくわたくしごときをとりまく様々の環境まで、先生はとっくにまるっとお見通しでおられまして、
その視界の広さに空恐ろしいものを感じざるを得ませんでしたけれども何とも大変、
貴重な経験をさせて頂きました。誠に誠にありがとうございました。

翌日、東雅夫さんにこの件をご報告いたしましたところ、
「ほうほう。で、何を落としてもらいましたか」
と顎をさすりながらお訊ねになられました。
わたくしがそれに、おずおずと答えましたら大爆笑しておられました
いやはやホントにわたくし、おろかものでございました。ぬふふ。


 ※ ※ ※


今回は樋口明雄先生にもご挨拶させて頂きまして、本来ならもっと早くに、
きちんとご挨拶せねばならなかった筈なのにと思うと恐縮しすぎて発狂しそうに
なっておりましたのですが、樋口先生大変お優しい笑顔でお話くださり、
わたくしは背骨が震えました。

福澤先生には「ひとりでも飲みに行ける店」を教えて頂きましたので、次の上京では思い切って、
勇気を出して、じゅんちゃんとふたりで飲みに行ってみようと思います。
ゴールデン街ソロミッションは、その、何ていうかあと三年ぐらいしたらがんばります!
ありがとうございます!

東さん、門賀さんにも誠にお世話になりました。
黒さん田辺さんにも色々な方をご紹介いただいたり、山下さんに揉まれたり、
ほかにもほかにも児嶋さんをはじめ皆々様、大変ありがとうございました。
各社編集さん、ぼくはほんとにうれしかたtです。
残念なのは、流石にご多忙の極みであられた平山先生とはあんまりお話する時間がなくて、
最終的に「たつきち」よりも遥かに最悪な名前を拝命しかけるというピンチに遭ったりしまして、
そのあたりが心残りとなりました。
遠からずまた、こっそり上京したいと思います。

以上、不肖松の大薮賞授賞式見聞録でした。
長々と失礼を致しました。
では!
コメント
達吉より

ボッ吉

ってのが良いって君はいうけれど
俺はどうかなと思っていたんだよ。

それにしても除除の人を殴るとか
言って回るのはどうかなと思うよ。
君は永井マジンガーZにチョーパンを
入れようとしていたからジュンが
停めていたよね。

まあ、てもそれもこれも全ては
お母様からのwバイブスのなせるわざと
思えば不思議はないけどね。
2011/03/08(火) 01:43:01 | URL | ゆめ #-[ 編集 ]
やめてください!!!
先生はあたまがヘンだと思います静かにしてください!!!!

何ですか、何かもうとにかく、おめでとうございました!!!
奥さまにもどうぞ宜しくお伝えください!!
2011/03/08(火) 12:12:41 | URL | 松 #SFo5/nok[ 編集 ]
ほんとうにグレートなめでたいめでたい祝宴でした。
あんな二次会の過熱っぶりは見たことがありませんでしたね。
先生のスピーチ、嬉しかったです。
応えられるように、しゃかりきに書きます。

スピーチがわれわれに回ってきたとき、
松ぼっ…松ちゃんだけそっと集中砲火に加わっていたあたり、
この男おそるべし、と思いました。大沢さん爆笑してたよ。
2011/03/09(水) 07:20:20 | URL | 順 #-[ 編集 ]
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